食欲は命より重い / 中華ソバ 伊吹 淡麗中華ソバ

シェアする

休日、実験動物福祉に関する講演を聞いてきた。
国が定める動物実験の決まりに改定があり、各方面その対応で色々と大変らしい。
海外に比べて日本の動物実験の体制はいいところもあれば、未熟なところも多いという。
欧米ではlaboratory animalに対する「Care」という概念が非常に大事だが、
日本はそれを「管理」という体温のない言葉に翻訳している、というのが印象的だった。

新しい薬を作ったり、病気の原因を解明したり。
特に生命科学の分野では動物実験は必須でしょう。私もその恩恵にあずかっている。
その一方で、化粧品の分野では動物実験はかなり否定的に捉えられている。
美しさに犠牲はいらない。
なるほど確かにブスは死に至る病ではない。

しかし私たちは雑食の生き物である。
長生きしたいとか綺麗になりたいとかそれ以前に、食わなければ死ぬのである。
しかし実はベジタリアンとして生きることもできる。
生きるために、少なくとも動物は殺さなくても済むらしい。
しかし私は動物性たんぱくを食べたい。
ラーメンを食べたいのである。死ぬわけではない、欲望である。

私たちが食を豊かにすればするほど動物の犠牲は増える。
娯楽としての食が無くなっても、それは死に至る病ではない、のに。

こうしてまた暗い話題から入る。
根が暗いオカマだから、ネカマだからしょうがないのよ。

さてここの煮干しラーメン。
スープをすすると甘味にも似た旨みのあとに、醤油の塩味が追いかけてくる。
煮干しラーメン特有のえぐみや苦みがほとんどないからこその甘味かしら。
程よい硬さの麺をすすると煮干しの香りが鼻に抜ける。
端麗なキレを維持しつつ、煮干しの濃厚さは健在。
このバランスがとても素晴らしい。
トッピングの玉葱の感触もよく、
高度な煮干しラーメンとして仕上がっている。

休日の夜、開店30分前に並んで1時間弱待ち。
並ぶだけの価値はある。さすがの名店の味だったわ。