自分のキャラを動かしたい、、動かしたくない?
ケモノ界隈に入って数年、着ぐるみを作ったり、ケモノ論考誌を作ったり、イベントで代表したりしてきた。
最近はVR界隈が熱く、かつての着ぐるみ仲間たちはこぞってVRの住人となり、着ぐるみの弱点であった骨格、呼吸、重力といったすべてから解放された世界で生きている。彼らはもう醜いホモサピが支配するシャバには帰ってこないだろう。
そんな時代に自分は何をしているかというと、イラストに手を出し、ラーメンを食べている。世の中VRだメタバースだといわれているのに、私はペンを握り麺をすするのである。
そんな中とあるvTuberの配信を見て、Live2Dをつかったアニメーション技術というのを知った。なるほど、Live2Dならいま学んでいるイラストとの親和性もあり、3Dに不向きな雑魚Macでも手を出せ、なんかちょっとエッチなこともできるのでは?と考え、早速作ることにした。これはその記録である。
・Live2D用PSDファイル作成
まず最初にやったのがLive2Dで動かすためのイラスト制作とパーツ分けだ。
イラストは私の着ぐるみキャラのうち、アイラを使うことにした。最近はリベットのほうが存在感があるが、私のFursona(ケモノの姿の自分自身)はあくまでもアイラなのである。アイラはキャラでもあるが、私自身なので、さとみという人間がそのまま話をしてもいいのである。
立ち絵自体はすぐ完成できた。大好きな赤いドレスに、コサージュとピアスを合わせたド定番。キャラ付けの方向性?私は私の好きな服を着たいのじゃ。
しかし問題はここから。LIVE2D独特の作業として、動かしたいすべての部分をパーツ分けする必要がある。腕、輪郭、横髪、前髪、後髪、左右の目(目だけでも5つのパーツがある)、口内、上唇、下唇、、、、完全に隠れる部分も塗り足す必要があり、この作業はとても虚無で苦痛だった。ぜんぜんたのしくない。
ただし後々わかるのだが、ここはとても丁寧にやらなければいけない。ここで手を抜くと、未来の自分に殴られることを覚悟しておこう。
ちなみに具体的な備忘録として、、、
・首の後ろのパーツはちゃんと書き込もう
・前髪、横髪、後ろ髪はきちんと役割を分けて書き込もう。
・瞳の中心部を偏らせない。
ここいらへんが気を付けるポイントである。
そんな虚無な作業がおわると、合計で49個のパーツにわかれたイラストが完成した。ようやくここからLive2D Cubismを使った作業の開始である。
・Live2D Cubismで目と口のパラメーター設定
いよいよLive2Dで動かす作業である。
まず最初に取り掛かったのが、目と口のパラメーター設定。目はまばたきを、口はしゃべった時に自然に動くように設定をする。
Live2D Cubismでの作業は(も)、めちゃくちゃ地味で地道だった。
パーツそれぞれにメッシュといわれる変形システムを設定し、目が閉じた状態、「あ」の発音をしている状態、目が半開きの状態、といった状況にあわせてパーツを一つ一つ変形させていくのである。
顔のパーツというのはLive2Dでも重要なとこで、瞬きや口の開閉にミスがあると一撃でわかってしまう。初手でやる作業の割に全体のクオリティに直結するので気合と根性で乗り切る必要がある。
・xyz軸のデフォーマー設定
顔と口の設定が終わったら、次はもっとダイナミックな動きをつけていく作業だ。
Z軸(左右の傾き)→X軸(左右の振り返り)→Y軸(上下の振り返り)の順番で、それぞれに頭と体とパーツのすべての動きをつけていく。
これからまたまたまた地道な作業が始まる。Z軸はまだいい。ピアスやコサージュの位置がずれたりするものの、顔のパーツは大きくずれず、調整する項目が少ない。
問題はX軸とY軸の設定である。
この二つは顔のパーツの形が大きく変化するため、振り向く方向に合わせて、上下左右、すべてのパーツを変形させなければいけない。
目、口、髪、鼻、耳、アクセサリー、、、パーツ分けで作ったあの膨大な量のパーツを、これも一つ一つ設定していく。
これがまた途方もない作業であった。いくつか作業時間を短縮する方法はあるものの、ここは(も)気合と根性が試されるときである。創作していると小細工よりもパワーが有効な瞬間がよく訪れるが、今がまさにその時である。
そして無事にX軸、Y軸、Z軸のパーツ設定がすべて終わり、X軸とY軸の設定をすべて連携させて(これはクリック一つでおわる)、無事に完成!
おめでとう、長き創作作業もこれで
終わりません。
・4隅の設定
この後、同様の作業をもう一度やる必要がある。魔界村と同じだと思ってもらって結構。
なぜかというと、X軸とY軸を連携させると、左上、右下といった四隅の状態も生成される。
これが、まぁ白紙の状態なのだ。
なので、上下左右が終わったあとに、今度は右上、右下、左上、左下に振り向いた状態のパーツを作り直す。もちろん全パーツが対象である。
これを作り終えたら、呼吸モーション(これは楽)とか物理演算(これはハマると地獄)とか入れて、いろいろ気に入るまで調整を加えて、、、、、や~~っと完成!
総制作時間は20時間程度(調べる時間は除く)なので、終わってみたら意外とそんなでもなかった。着ぐるみを半年かけて作ったほうが3倍ぐらい大変だった。
けれど、地道な調整作業がひたすら続き、しかも繰り返し作業が多く、魔界村システムも実装されているので実際よりも長く感じた。
いろんな技術を獲得すると、できることも増えて作業も効率化できるのでもっと楽に楽しくなるのだろう。
さて、これで完成したLive2Dモデルを使って、実際に動画作成をしてみたが、これはこれで絶賛苦労中である。これは問題解決したら顛末をまた書き残そうかと思う。
一つ言えることは、今どきの創作するなら性能のいいWindowsパソコンを買いましょうという。Macはダメ、絶対。
ボーナスでたらつよつよPC買うぞ~~~~~~~。