呪詛を掘り当てる / 蕎麦割烹 倉田

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^_^

時々スポーツをしたくなる。

なぜスポーツをしたくなるのか?
ちなみに私は根本的に運動は嫌いなヒト。

好きなものは酒とたばことラーメン。
嫌いなものは寝不足とマラソンと連続テレビ小説。

そんな不健康を愛する私が、この期におよんでスポーツをしたくなるなんて、
いったい何があったのか。

そんなことを考えていたら、自分の脳内から呪詛を掘り当てた。

「運動神経」という言葉。
私は運動神経はいい方ではなかったけど、別にすごく悪いわけでもなかった。
ごくごく、普通。
6年続けた水泳は圧倒的に普通の人よりも速く長く泳ぐことができるが、
サッカーがうまいこともない。

しかしそんな私に対して、親からずっと語られていた言葉がある。

「一位になれない運動なんてやっても無駄。」
「お前の血はスポーツができる家系じゃない。」
「将来どんな運動しても無駄。」

こういった言葉を繰り返し繰り返し浴びせられて育ってきた私は、
理性ではとうぜん否定しつつも、
どこか心の中で自分の可能性を閉じ込めたり、あきらめの理由にしてしまっていたところがある。

その事実に30年生きてきて、やっと向き合えるようになったのだ。
親から繰り返し繰り返し発せられるネガティブな言葉。すべての可能性を閉ざす呪詛の恐ろしさを感じつつ、奪われた未来を、欠片だけでも取り戻したい。

そういう気持ちが、スポーツをしたい、なのである。

おそらく私は何かのスポーツを始めても、親には決して言わないだろう。
別に仲が悪いわけではないが、
それでも百害あって一利もなかった事を思い知らされるだけだと思うので、
余計なことはしない方がいいわよね。

まさか運動という健全な概念の塊からこんな呪詛を掘り当てると思わなかったわ。
あぁ、タバコを吸いたい。

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武蔵小山は馴染みのない街。
さいきんは武蔵小杉が有名で、あれが神奈川県だから同じようなところなのかしら?と思ったけど全然違ったわ。
昔ながらの商店街を残しつつも、
財閥による再開発の案により街の景観がぶっ壊されようとしているらしい。

地方都市の国道沿いのハンコ風景も退廃的だけど、
再開発したエリアの同じように綺麗な街並みも感性のディストピアな印象ね。

そんな街の一角に有名なお蕎麦屋さんがあるという。
ちょっとしたツテがあったので、ランチにコースをいただいてきたわ。

お蕎麦屋さんとは思えない日本料理の数々、
そしてお料理にあう日本酒。
全てが上質で、とても楽しい時間を過ごさせていただきました。

舞茸の天ぷら、〆のお蕎麦、そして残暑を感じながらいただくかき氷。
品も感受性も消え失せる労働の日々のなかで、
少しだけ人間性を取り戻すことができた気がするわ。

今度は個人的に夜にお邪魔しますね。