生気のなさ?死者が持つもの? / Industrial Bar Lounge

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飲める店がたくさんある街、恵比寿。

そんな恵比寿で、ゆっくりとした時間を過ごせてかつ、ありきたりな空間ではないBarがあった。
恵比寿の神社裏にある雑居ビルを2階にあがる。
一見しただけではこんなところに店があるのか?と思ってしまうような空間。けれどよーく目を凝らしてみると、殺風景な部屋の扉に小さなロゴマークがある。
恐る恐る扉を開けてみると、、、、まさに非日常の空間。

まずはソファーの席とテーブルの席、そして半個室の部屋がある。
そして何よりも、いたるところに飾られた剥製の動物たち。
どこから手に入れたのだろうか、そんな野暮なことは聞いてはいけないのだろう。
それでもこの数の剥製は圧倒される。

剥製というのはとても不思議で、見た目は変わらないのに全くの生気を感じない。そりゃそうだと思うかもしれないが、生きている動物と外見は全く変わらないのに、すべてが違うのである。
生気と表現するのが正しいのかしらないが、常命に生きるものがもつオーラというか、私たちは常に生に囲まれて生きているから気が付かないけど、あるのかもしれない。
いや、もしかしたら逆なのかもしれない。生き物は死して初めて発するオーラというものがあるのかもしれない。
私があの空間に入った時に感じた違和感は、死者が放つオーラに近いものがあった。

夜が更けてくるとおしゃれな人たちが増えてくる。
どうやらファッションやアートの業界に生きる人たちがよく集まる店らしい。
私のような人間には相性の悪い場所かもしれないと思いつつ、
またあの空間に踏み入りたい気持ちもある。

ちなみにお酒は一杯1500~2000円ぐらい。
割とふつう。