偏見との付き合い方 / つけめんTETSU 千駄木本店 豚骨×魚介 特製あつもり(夜の部)

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ラーメンを無心で食べるのは難しい。

私は昼間は会社で男として働き、
しかるべき時にオカマにもなれば人間をやめる時もある。
着ぐるみでケモノになったり、googleで「ケモノ ア○ル」と検索するときもある。
女よりも男の方が好きだけど女が無理なわけでもない。
というか人間の時点で性対象カーストでは奴隷以下なんだけども。
(でも奴隷って響きはちょっと素敵ね。)

いつからかこういった多重人格な生活を嗜むようになってから、
偏見や差別というものをとても意識するようになったわ。

たとえば私がいる会社は典型的な古い日本企業。
ゲイという生き物は自分の周りには存在せず、男を見かけては襲う危険な生き物だと思うおっさんは多い。オカマもTVの向こう側の存在で、まさか自分の部下がそうだとは思ってもいないわ。

ケモノの世界はまた別の側面をもつ世界。
絵を描ける人などクリエイターがとても多いけど、スポーツやウェイなノリは控えめ。
右な人も正直目立つ。

そしてこうやって自分のいる世界を分類しようとするオカマも、
十分に偏見に満ちた態度なのよね。

けれど偏見や差別意識は誰しもが持っているもので、それを無そうという態度はたぶん違う。
自分が持つ偏見や差別意識をお互いが気を付けつつ、時には冗談としてうまく扱いながら生きていくことが必要なんじゃないかしら。ある意味技術なのかもね。

でも時には相容れない存在が出てくることもあるでしょう。
そういう時は住み分けて距離をとるのが一番ね。
私たちは人間という一つの種だと考えているから同じところで住めると思ってしまうけど、
文化や価値観が違えばもう違う生き物なのよ。
猫とハムスターを同じ部屋に入れて、多様性だから仲良くしなさいなんて言う馬鹿はいないでしょ?

最初はラーメンを題材にしてこの話をするつもりだったのに、
すっかり重苦しい話題になってしまったわ。
ネクラは結局こういうスタンスしかできないのよね。
でも一応ラーメンの話題も入れておきましょう。

大規模チェーンに成功したラーメン店に対して、
あなたはどんな偏見をもってしまうかしら?
私の場合は
「どうせ化学調味料だらけなんでしょ?どうせバイトが作るから味落ちてるんでしょ?商売がうまいだけでそんなにおいしくないんでしょ?」
とかそんな感じ。文字で書くとかなりのクソカマね。

しかしそんな偏見を解消する方法がラーメンにはある。
それは
実際に、食べに行く。
ラーメンフリークはこれがすべて。わかりやすくていいわね。

一 食べたことのないラーメンを批判しない。
一 並んだことのない行列を馬鹿にしない。
一 初めての店で「麺固めで」とか言わない。

季節の変わり目の大雨の中、行ってきたわ千駄木本店。
つけめんブームを牽引する有名チェーンの総本山。

鰹だしに入った中太麺。加水率高めの麺が液体に使っているのだから、ツルツルっぷりはかなりのものよ。
このダシが動物と魚介のダブルスープの濃さをうまく中和して、
絶妙な口当りと万人好みのあっさり感を演出する。
さすが全国展開に成功した味。つけ麺の濃さやしょっぱさが苦手な人もこれならいける気がするわ。やるじゃない。
つけ麺にありがちな脂!魚粉!塩!!なガッツリ系とは全く異なる。

あたしはガッツリつけ麺が苦手なタイプなので、
こういう工夫はうれしいわね。

大雨ということもあり店内は少しさみしい状況。
ただそのおかげで、店員さんと軽く雑談をすることができたわ。
ラーメンの話だけじゃなく、ちょっとした冗談まで。

大雨の日にわざわざ来た変わり者を丁寧にもてなしてくれたわ。

天気は悪いが、味も接客も良。
イメージはかなり変わったわ。
ラーメン一杯でこの変わりよう。

ヒトって意外と単純なのかもね。