道は開ける  カーネギー

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原題はHow to stop worrying and start living

道は開ける、というとよくある尊大なご高説満載な自己啓発本のような印象を与えるけども、この本はそういった類ではない。
日々の中でどうしょうもなく襲ってくる不安、恐怖、疲労、私たち日本人が「ストレス」と呼ぶものを、いかにして克服するべきか、その方法を説いた本だった。

仕事をしているとほぼ毎日のように発生する「ストレス」は、その対処法を間違えるとすぐに私たちの生活を乱して、心を崩壊させて来る。その見えない敵との戦い方は、日本では小学校中学校高校大学どのステージでも教えてくれない。こんなにも「ストレス」で辛くなることが当たり前な世の中なのに。

別に仕事だけじゃなく、プライベートでも「ストレス」は発生する。何か人と違うことをやろうとすれば、必ず不当な批判をされる。目立てば叩かれる。しかも見たくもないし見る必要もない呪いの言葉が、SNSを通していとも簡単に自分の視界に入ってくる。

これほど自殺するのに最適なこの国で、なんとか生きていくためにこの本に救いの手を求めた。結果は、まぁそれなりに対処法を学ぶことができたという印象。使えるものもあれば、つかえなものもある。ただし、読むべきか読まないべきかで考えると、読んだ方が絶対にいい。

今日だけは、もう一日生き延びてみよう。
それだけでも思えたら、儲けもんである。